武蔵野のめぐみを味わう
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Vol.40

表紙 小野農園(撮影:熊谷昭典)/ 写真:中村香奈子 小松正樹 / 編集:櫻井理恵 鈴木はるか / デザイン:吉野博之

武蔵野のめぐみを味わう

発行:2024年02月

落ち葉を堆肥に活用する
サステナブルな循環型農業

 川越市南西部福原地区。この地域では、江戸時代から三六〇年以上続く「落ち葉堆肥農法」を用いた野菜作りが行われています。この農法は江戸時代前期、火山灰土に厚く覆われ作物が育ちにくい土地を改良するために川越藩が始めました。多くの木を植えて平地林(ヤマ)を育て、木々の落ち葉を掃き集め、堆肥として畑に入れることで土壌改良を行います。そんな伝統農法を受け継ぐのが八代続く露地野菜農家「大木農園」の大木洋史さん。自宅裏には江戸時代に作られた平地林があり、その落ち葉の堆肥を畑の土に使い野菜を作っています。「川越市の中心部は観光業が中心ですが、一歩離れると農業が盛んで広大な農耕地が広がっています。観光と地場産業が共存しているところが川越の良さだと思います」と大木さんは川越の魅力を語ります。

大木農園

 「落ち葉堆肥農法」は未来志向の循環型農業として認められ、二〇二三年に世界農業遺産に登録されました。代々受け継いできた農法が世界的に評価されたことについて、非常に嬉しく思っていると話す大木さん。「土に対するこだわりを消費者の皆さんに説明するのが難しかったのですが、世界農業遺産になったことで興味を持ってくださる方が増え、お話する機会が増えてきました。落ち葉がおいしい野菜を作る助けになるということを、子供たちにも知ってほしい。今後学校などで子供たちが見学できるような仕組みができれば良いなと思います」と、今後の展開に期待も。そして江戸時代から続く家業について、この先農業自体がもっと厳しい時代になるとしつつ、「でもどうにか子供たちの就職の選択肢になるよう頑張っていきたい。ずっと受け継がれてきた農法が後世にも続いていくよう願っています」と思いを語ってくれました。直接野菜作りのお手伝いはできませんが、農業に少しでも興味を持ち、農家の方たちが心を込めて作るその野菜を購入することが、川越の農業を支援することに繋がるのではないでしょうか。

大木農園

埼玉県川越市下松原205 「大木農園」は減農薬、減化学肥料を心掛け「安心安全な新鮮野菜を消費者へ」という理念のもと、里芋やジャガイモ、葉物野菜を作っています。

049-242-1724

Last Sunday Market 美味しい野菜を食べよう !

毎月・最終日曜日に開催 !
川越の新しい食のマーケット

毎月最後の日曜は、早起き必須 ! 古民家ゲストハウス「ちゃぶだい」の軒先で始まった小さなマーケットが、川越市内に広がっています。周辺地域の新鮮な野菜や加工食品、パンや雑貨が並び、ここでしか買えない商品も。何よりも生産者と直接会って購入できることが、一番のメリット ! 作り手のこだわりに触れると、よりおいしさや楽しさが増すものです。今ではちゃぶだいの他に川越八幡宮や蔵里でも開催されています。この月に一回だけのマーケットを楽しみに、オープン前から並ぶまちの人々の新しい交流の場にもなっています。
※開催場所と時間は、毎回異なります。詳細はInstagramでご確認ください。

Last Sunday Market Guest House ちゃぶだい、 川越八幡宮、蔵里など

毎月最終日曜日

老舗農家がオープン !
野菜の味を知る直営カフェ

明治から続く小野農園が2023年8月にオープンした「onocafe」。若き当主のモットー「野菜で笑顔に。」を実際に体感できる、おいしいメニューが揃っています。小野農園で採れた農薬や化学肥料を使用しない野菜のみを使っており、子どもも食べられるキーマカレー(1200円)や野菜の味をダイレクトに楽しむ「焼き野菜」(300円)、シーズナルメニューが人気。納屋を改装したスペースで、ゆったりと農園の雰囲気を味わえます。店頭では野菜の直売も。「野菜っておいしいんだ !」と思える、新たな川越のおすすめスポットです。

onocafe(オノカフェ) 川越市下赤坂394

11:00-16:00(15:30L.O.)

仙波東照宮 徳川が祀られる、風情豊かな名刹

 寛永十年(一六三三)年に建立された仙波東照宮は、日本三大東照宮のひとつ。
寛永の大火で喜多院を含むそのほとんどが消失しましたが、寛永十五年(一六三八)に徳川家光の命により復興しました。
漆塗の極彩色が美しい建造物など、すべてが重要文化財に指定されており、家康公の像のほか、
「三十六歌仙絵額」や十二面の「鷹絵額」の文化財を保有しています。(小江戸川越観光協会HP参照)

仙波東照宮
カフェ アンドン

CAFE ANDON
地域に灯る、新しいあかり

 国指定文化財「仙波東照宮」の敷地内にオープンした「CAFE ANDON」。店主の関原洋文さんは、仙波東照宮の氏子さんたちと相談をしながら、地域にとって大切な場所に新しく集いの場所を作り上げています。「アンドンは、あかりを灯す意味もありますが、地域への“恩”を忘れずに、という想いもあります」という関原さん。家康公に見守られながら、川越の次世代のあかりがここに灯ります。

カフェ アンドン

川越市小仙波町1-21-1

11:00-17:00(16:30L.O.)

コエドノコトpaper 40 発行・印刷 株式会社櫻井印刷所 350-0062 川越市元町2-4-5 049-222-0935 2024年2月 非売品
※令和6年1月現在の内容です。