
川越唐桟を次世代につなぐ
呉服笠間
笠間美寛さんKasama Yoshihiro
2025年06月
仲町交差点の近くにある老舗呉服店の「呉服笠間」。店内に入ると川越に伝わる川越唐桟の反物が並んでいる。一度は世間から忘れられたこの地域特有の織物を、先人たちから受け継いだ資料や織物の技術を研究し、現代に甦らせて商品化してきたのが、笠間氏だ。


着物を着なくなった昨今だが、機能性、デザイン性ともにクオリティの高いこの綿の織物を、小物などに加工して販売を展開。今ではJR東日本の寝台特急「四季島」の室内着にも採用されている。「川越唐桟は知れば知るほど魅力ある文化。地元の人にこそ、その良さを感じてもらいたい」と笠間氏。いつも唐桟をこなれた様子で着こなし、川越人ならではの粋を纏っている店主である。