唯一無二の「名」を刻む

唯一無二の「名」を刻む

バンコドウ

岡野一明さんOkano Kazuaki

2025年11月


 時代とともに、デジタルでの署名やペーパーレス化が進む中、伝統的な手作業で印章を彫り続ける若き職人がいる。この道28年。バンコドウ七代目の岡野一明さんは、その職人技を駆使して、地域の子どもたちのみならず多くの人々に印章がもつ力を伝え続けている。


「人の手で心を込めて彫った印を持てば、その人の人生の節目に必ず背中を押してくれるはず」。大切な唯一無二の名前の意匠から、細かい彫りの作業を通し、それぞれの人生の一端に思いを馳せる。同じ人間は一人としていない。その名を刻むという意味の重さを日々感じながら、「まだまだ修行だよ」と呟く岡野さん。迷うことなく彫り進めるその技術は彫刻の真髄と言っても過言ではない。